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February 10, 2005

ヴィタール

 「死んで10年後に1回だけ見せて貰えるとしたら、何が見たい?」

 ねたばれになるので、見ていない人はこの先読まないように。

 主人公は、交通事故のあと、記憶喪失になる。それ以前の彼は医者になることを諦めていたのに、なぜか医者を目指し始める。大学では解剖学の授業が始まり、献体の腕の入れ墨を見て過去を思い出し始める。交通事故があった時に、横に座っていたのが彼女だったのだ。屍蝋化した体に向き合いながら、彼は彼女と今の自分との逢瀬の世界に迷い込みその中で自分を見つけ出していく。
 監督のあまりにもすごい表現力が、一気に脳内に流れ込んでしまった。薄汚れた色の背景が彼の心の内を現していて、簡単に彼と同一化出来る。浅野の髪の乱れがセクシーで、私は女なので(一応)死んだ彼女の視線から彼を愛おしく見てしまった。体格もよく大きな背中なのに、なぜか包み込んで上げたくなるように、演技しているのがよかったよぉ。解剖学自習は約4ヶ月も行われるのですね。主人公と同じ班の人が、筋肉を使って遊んでいるところを主人公は怒るシーンがあります。私も一緒になって怒っていたのですが、やはり屍蝋化した人間を4ヶ月も触っていたら、物扱いになってしまうのかもしれないとも思ってしまいました。しかし、あんな風になるのですね。よく勉強して貰わないといけないから、色々取り外して見て貰わないといけないけれど、私なら精神構造の調整が必要になりそうだなぁ。大変な仕事なんだね。んでもって、こんなラストも好き。

 彼女がした質問。彼女は、彼と小雨の中傘を差しながら、どこかの庭の花か木を見ている彼を見ながら、「いいにおい。」と言った場面だった。わー、いいなぁっておもった。監督は今人生が充実してるんだなぁとか、私には無いなぁとか思った。

 追加
 書くの忘れていた。写真のような映像だなぁって思った。どの部分切り取っても写真になると思う。

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