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March 08, 2005

Ray レイ

2005_03_08 アカデミー賞主演男優賞を取ったこととレディースディで、昼間なのに立ち見が出るほどの盛況ぶりだった。写真は、T1と映画に行った後に入ったジャズ喫茶の置物。あまりにもタイムリーなサングラス姿で写真に収めたのだが、遠いところからだったので、ぶれてしまった。
 この映画では、母と息子の関係が素晴らしく描かれている。弟を事故で失ったあとに、レイは7歳で病気のために失明する。南部の貧しい家庭で生まれた彼には、更に苦難が降りかかるのであるが、気丈な母が「視力障碍者ではない」として生きろとたたき込み、彼は黒人と障碍者の二重の苦難の日々を思い通りに生きていけるようになるのだ。
 どうしても、差別がつきまとう。黒人の中にいても利用され、しかし、彼の実力を高く評価した人の手でどんどんと上り詰めていく。その中で、弟の死に責任を感じる主人公はヘロインが手放せなくなり、幸せな結婚をしていたのに、ツアーで一緒になるコーラスの女性との子どもまでももうけている。素晴らしい歌にはこのような出来事が多く織り込まれているのかもしれない。
 全編に流れる彼の歌声。その度に凄いとみんなが評価し、観客の私も一緒になって彼に惹きつけられる。ジョージア州で黒人差別反対の行動に出たために、ジョージア州に入ることが出来なくなったが、10年以上経ってから、ジョージア州はこの非礼をわび、わが心のジョージアを州歌にすることを決めたことをラストに持ってきている。なんか泣いてしまった。彼の音楽が聴きたくて聴きたくて仕方がなかった。
 杖を持たずに歩く視力障碍者の役をするのは、難しかっただろう。歩きながら、この人は本当に目が見えないのだろうかと思わせるような動きを取らないと行けないのだから、それが演技として評価されたわけではないとは思うが、レイ・チャールズを知って貰うには一番相応しい俳優さんであったのではないかと思う。
 レイ・チャールズの歴史は、戦後の黒人の歴史とも言える。黒人がグラミー賞を取る。黒人が反対運動に参加する。観客の移り変わりも、最後には白人黒人関係なく、観客が踊りまくっているではないか。彼の音楽がそうさせたと言っても過言ではないだろう。

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