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March 09, 2005

理由

 友人Aと見に行く予定だったのに、夕方からの回がなかったので、一人で出かけた。今は鍵を忘れて出てしまったので、おばばさまが帰るまで、海岸でビニール袋の上に座って、これを書きながら待っています。うぅなさけない。この海には、波の音と私以外誰もいない。
 宮部みゆきの同名小説を大林宣彦監督が映画化。小説のストーリー通り、いろんな人の証言で、話が展開していく。昔の映画みたいに、先にスタッフ・キャストの紹介があった。最近はラストですることが多くなっているので、逆に斬新だ。入居者とは違う人たちが家族として殺されていた。なんでだ?という話が進んでいくのだが、ちょっとの表現の中にもその人物像の思い入れが感じられて、信じられないだろうが、私は泣き虫なので泣いてしまった。
 殺された家族のお父さんの役をしていた人が、その映画の中では、家族を捨てて15年前に出奔している。新たに家族の形成をしたときに、自分の元の家族とやり直すかのように、同じ家族構成で名前も割り当てている。少ないお金で悪いことをしてもいいと彼が言った真意が伺える。不意の事故で半身不随となり、元いた老人ホームで亡くなったわけではないけれど、いたわってくれるような家族もどきがいたので、幸せだったでしょうと施設の人に言われる老婆。自分が必要とされていることだけで安らぎをもらっているように見えるうその妻。家族が何かを知らず、血がつながっていなくても、家族になれたであろう世界を壊すことで、自分の居場所を無くしてしまった青年。家にこだわった人々、それに翻弄させられた家族、人の気持ちや優しさや欲望がたった数分語ることでうかがい知れるのだ。人に歴史ありと言われて、こんな大勢の人たちにかまっていられないけれど、たった数分の世界が何かを物語っている。
 長かったけれど、小説の良さをいかしきったのではないだろうか。
ばってりーがなくなってきた。この続きはあとで

つづき 
 海岸から離れるときに、ひっさびさにナンパをされた。何年ぶりかしらんと大喜び。たで食う虫がいっぱいいる世の中になっちくれ!今は、レイ・チャールズを聴き、コーラスを入れて書いている。

 ラストが近づくと劇中劇で行われることがはっきり分かり、大林監督の頭も見えるサービスあり。最初と最後の繋がりがうまくまとまっていて、本当に原作を大事にした映画だったんだろうなぁって思った。新聞掲載の小説を証言だけで話を進めたってのも画期的だったが、映画も画期的だ。短い映像から多くを読み取れる。

 数多く出てくる荒川区と江東区。昔は東京が嫌いだったので、最近は東京の下町を歩いたり、路電に乗ったりするようになったのだが、23区はさてどこにあるのか分からない。最初に荒川区の説明をして貰ったのだが、どの辺りかがつかめず、場所未確定で宙ぶらりんで見ていた。路地の井戸のポンプで水を出している人を見て、まだ残っていることが嬉しく思える。そのように思わせるために、或いは監督がそう思ったから、ロケ地にしたのだろう。
 俳優人はすべてすっぴんという、女優根性で頑張った人は多いだろうなぁ。すっぴんだから、みんな普通のどこにでもいる人になっていて、監督の思惑通りになっている。その中で印象に残ったのが、おとなしい役でセリフも殆ど無かったのに、古手川さんの演技にひかれた。あれだけの出番で、男に貢いで捨てられ、濃い化粧の妹が男と共に都会に行ったというところから、死ぬ前の柔らかい笑顔までの人生を物語っているのだから、凄いと感じた。

*********** 追加 3/9 pm23:35 ************

 谷中は台東区だそうです。間違いを教えて頂きました。ちゅいまちぇん。ゆるちてくだちゃい。

 代わりに関西の知識をかいておきまちゅ。阪神甲子園球場は兵庫県にあります。大阪府だって人が多いので。

*********** 追加 3/11 pm16:41 ***********

 何かいまでも覚えているので書いておきます。元々いた家族の息子のセリフです。

 もう大切なものを持たないことにしたんです。
 失ってしまうのが怖いから。

 間違っていたらごめんよぉ。

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