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March 13, 2005

花はんめ

 神戸新聞で紹介されていて、今日監督が挨拶に来ると書いていたので、新開地にあるKAVCに出かけた。知っている情報は、はんめと言われる在日のおばあちゃんのドキュメンタリーだということ。実は、歴史的に辛い部分を見ないといけないから、辛いかなぁって避けていた。
 映画の舞台は、神奈川県川崎市川崎区桜本町1丁目にある清水のおばあちゃんと言われている家だ。そこには、70代80代のおばあちゃんたちが集い、きゃきゃと喋りながら笑い転げている。撮影に来た人達にもご飯やスープやキムチなどをほら食べろ、やれ食べろと大笑い。これは、監督さんがこれが嬉しくて、これをみんなに見せたかったんだなぁって最初から、監督と一緒になって、おばあちゃんの可愛らしさを楽しんだ。週に1回ある地域での集まりにも顔を出し、大笑いして、踊りまくる。来ている人に一人ずつインタビューをすると、一人のおばあちゃんが、「心がねぇ。皺くちゃじゃないの。ばぁーって、広がっているの。今が青春って感じ。」と言っておられた。カメラは、清水のおばあちゃんちに集う人達と一緒に歩き、買い物をして、水着売り場で試着して買い物するのも撮っている。みんないつでも笑っているのだ。監督自らが、語りを入れているのだが、おばあちゃんを撮りだしたのは、監督の母が77歳で亡くなり、なんにも苦労した時代のことを聞かずに終わったなぁっていうのがきっかけだそうだ。監督は、在日2世で大阪の鶴橋の出身だ。在日の歴史を撮ったこともあるそうだ。この映画では、清水のおばあちゃんが気さくで、みんなが集まりやすく、集まる人達はみんな「私より先に死んだらダメ、みんなが死んでからじゃないと死んだらダメ。」と言っていた。最後には、清水のおばあちゃんは入退院を繰り返し、自宅療養になったおばあちゃんちに多くのおばあちゃんや嫁や孫たちがやってくる。足はふらふらするけれど、週1回の集まりに出かけて、昔のように踊ることは出来ないけれど、笑い歌い楽しんでいる姿を見せてくれた。結局、この映画では出てこないけれど、この清水のおばあちゃんも集まっていたおばあちゃんたちももう亡くなっている。
 映画の後に、監督の話があった。在日の歴史がでていないと言われたこともあるけれど、このおばあちゃんたちを撮りたかったと言われた。気持ちがよく伝わる映画だった。ラストの近くに、清水のおばあちゃんの64歳のお嫁さんが「前は理解出来なかったけれど、今はこの生き方がいいんだと分かった。まねしたいと思った。」という言葉が、監督もそのままの気持ちだったんだろうって思った。
 この映画には、川崎に住む在日の人達の歴史が全く出てこない。しかし、このおばあちゃんたちのこの姿は、色んなことがあって、でも・・・ってところがあるので、これを見に行かれるなら是非とも、HPにあるおばあちゃんたちや在日の人達の歴史を読んでから行って欲しい。歴史の教科書で誰でも知っているかもしれないが、実際にはあんまり詳しく知ることがない歴史である。私も「わたしの猪飼野」しか読んだことがないので、なんも知らん。でも、このおばあちゃんたちは若いときには忙しくて自分のことも言ってられず、こんな形に昇華していった姿が魅力的ではないか。その凄さ、可愛らしさを見て貰いたい。
 みんな一人では寂しいんだ。この映画の中でよく出ていた言葉だ。おばあちゃんたちは元気で、集まりもおばあちゃんたちばかりだったんだけれど、おじいちゃんは一体どうした。男って元々人とつるまないし、嫁さんが居なかったら一人ではないか。おじいちゃんにも元気になってもらいたいなぁ。
 中に出ていたトックとかキムチとか美味しそうだった。監督が言うとおり、食べに行きたくなった。

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