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March 22, 2005

「おたく」の精神史-1980年代論を読んだ

 おたくの精神史を読んでると、このブログに書いて早10日以上も過ぎた。
 今さっきやっとの思いで読み終えた。なぜ急いだか、明日から新しい会社に行くのに、「何の本を読んでいるの?」問いに答えられないからだ。日頃変わり者扱いされているので身につけた処世術は、目立たずに生き抜くこと。変な物はここで紹介していたらいいのさ。しかし、長いことかかりすぎて、前の方に何を書いていたのかがちと怪しい記憶だ。
 この本を読んでいたら、題名になぜ「わたしの・・・」が付いていないのかと第一印象。この本の中で1回だけ名前が出てくる竹熊氏が、ブログで書かれていた「おたくの名前をタイトルに入れたら儲かる」ってのは、これを意味しているとは言えないけれど、おたくの精神史ってタイトルではないだろうと思った。あとがきを読むと、「ぼくと宮崎勤の80年代」を大幅加筆した代物だった。これを読んでいるとなぜか、おたくの名前を冠していいのは、大塚氏を含めた限られた人だけではないかと思ってしまった。
 なぜ、私がこの本を手に取ったか。以前「ハンニバル」という映画で、ラストの問題の箇所を見て大して気持ち悪いとも思わず、本当に出来うることなのかと医者の書いた評を読みあさったことがあったが、この本の作者が書く「多重人格探偵サイコ」を購入し、こわいながらも読み進んでいくうちに、フラワーチルドレンの問題の箇所を見て、私は購入していたこのシリーズすべてをすぐに廃棄してしまったのだ。この二つの内容は、映像と2次元という違い以外には、頭蓋骨が開かれている、脳にあることを施されている、その人物はなおも生きているという共通点が多いのにもかかわらず、読み進むことが出来なかった。自分では分からない差異を求めて、大塚氏の著書を読んでいたのだが、彼の本を読んでよく分かったが、彼のマンガ原作が方法論の展開であり、彼の著書では答えが得られないということがわかった。
 この作品で語られているのは、多くの記号化された人達である。岡田有希子、戸川純、黒木香、岡崎京子、かがみあきら、宮崎勤、オウム真理教、エヴァンゲリオン、少年A。彼らは、20年前から10年前の間にいろいろな言葉の意味をつけられ、その時の歴史は今とはおそらく違ってきているかもしれないけれど、誰でもその時代に何かがあったことを語れるシンボル的な意味合いも持つ。作者の社会に出てからの青春時代が、このシンボルと重なり合うことで、自分をその場所に配置し、時代を語りながら、半生を語る手法を取っている。私の書くブログ内容もそうなのだが、すべてに置いて自己完結して、他をあまり寄せ付けない。多くを語っている著作を読んでいないからそう思っているのかもしれないが、自己完結させることで、自分の意見を一般化しようとしているように感じた。

 ありゃりゃ、お開きの時間になりました。この続きはまた次回に。って、これでは読みがいがないなぁ。

 3/23 追加してみました。

 この著作の中で、大塚氏は、「隘路」という言葉を多用している。時代のシンボルとすぐそばにいた本人とが日常や歴史の隘路にいると書いているのだ。この読書感想文にも、わたしと「おたくの精神史」って名前にしないといけないだろうが、私の場合は、上記に書いたシンボルに対して、何も思い入れがなく、変わったものに惹かれる私は、これら一般的になってしまったものに、何とも思っていなかった。唯一興味を持っていたのは、少年Aの犯行ではないと長い間主張する団体がいたことに興味を持ったぐらいだった。80年代の代表選手達の顔ぶれなのに、なぜか隘路と陰に隠れて進んでいるのが印象に残った。
 この本を読んでいると、エロマンガとアニメ雑誌の歴史を教えて貰える。今でもこのようなやり方でエロ雑誌は作られているのなら、大塚氏のようなマンガ編集者への道は、大変勉強になるのではないだろうか。宮崎勤に対してこの作品で意見が少なく書かれているのは、贖罪の意味もあるのかと考えてしまう。おたくの代弁者として多くの時間を費やしてきた彼が、おたくを冠したタイトルを書けたとしても、彼自身はおたくとは思えないといったパラドックス的な作品だった。

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