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March 24, 2005

ロング・エンゲージメント

 映画としてはいまいちだったが、色々考えさせられたし、色々楽しませて貰った。
 あおりには純愛を押し出されていたが、謎解きもあり、戦争の悲惨さもありで、彼女の信じるチカラよりもそっちの方が魅力があった。この戦争は、第一次世界大戦。多くの人が銃を持って移動し、次々と人に向けられた銃で倒れていく。こわくて何度も目をつぶってしまった。以前ここで、私が男ならいつか戦争反対しても叶えられなかった場合、戦争におもむかないといけないかなぁって書いた記憶があるが、今はっきり分かった。行きたくない。
 「アメリ」のときのように、小さな出来事まで人一人を扱った紹介で、名前付きで見てしまうと、その人が殺されるのに感情が入ってみてしまう。一人一人が大切な人達だと分かると、こんな映画の中の戦争じゃなくても、心が入ってしまえるだろう。ビンゴという地で生きて死んだ人達が主人公に対するメッセージと共に現れる。そのメッセージが謎解きのヒントになっていくのだが、どんな人にも性格や気持ちや生き様があって、主人公と一緒にメッセージをひもときながら、こんなに戦争を深く感じるとは、それも確かに全滅するような悲惨な戦場だが、単なる一戦場なのだ。
 「アメリ」の時のように、主人公を取り巻くキャラクターが漫画にでも出てくるようなユニークな顔の人達で、「アメリ」で見た顔も出ている。主人公の家も部屋もおとぎ話の家のように作られていて、足の悪い主人公を上へ上へと上らす灯台や教会もアイテムとしては面白いし、一番凄いと思ったのは、ジュディ・フォスターがちょい役で出てくるパリの市場の風景が、すげーって驚くぐらいに作り込んでいるのがよかった。かごに入っている鶏を荷車から降ろすシーンからにんじん売り場まで行くだけで、見せてくれて有り難うって気になった。これは、「アメリ」の儲けをつぎ込んでいるんだと思っていたら、病院の爆発シーンも凄いシーンだった。あんまり金かけてるシーンがいっぱいで、インパクトが半減するので勿体ないと思うぐらいだった。
 どうしても、監督と主演が一緒なので、「アメリ」を感じさせて貰うところは多いのだが、細部のこだわりが大好きな私は、画面いっぱいの作り込みで楽しませて貰った。
 ジュディ・フォスターがなぜこのような役を選んだんだろう。戦争未亡人の姿を描きたかったのかしら?なぜ?って思う。ギャスパー・ウリエルの姿は、生きていると信じて主人公が動き回るのが分かるようないとおしさを感じる。ただ、年齢的に差を感じたのがちと残念だ。ラストのシーンは、あれ以上にまとめ方が無いだろうなって思うが、やはり物足りない。この映画見ていたら、フランス人に愛着を持つ。

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Comments

確かに、パリの市場、とっても丁寧な描写でしたね。病院で飛行船?が爆発するシーンも、
手が込んでいました。特に山場というわけでもないのに、ええっどうして?というぐらいに。

Posted by: distan | March 25, 2005 at 03:28 AM

 TB&コメント有り難うございます。こだわりが凄いですね。そういう映画も見るのが楽しい。

Posted by: 海音 | March 25, 2005 at 07:27 AM

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