« ガンダム、大地に立つ! | Main | 素敵に昼ご飯4 »

August 14, 2005

亡国のイージス

 キャスティングの素晴らしさは、唸るね。話を殆ど知らないで見に行った。見ていたら、その人のために作られた役どころかと思うぐらいぴったりの配役で驚いてしまった。逆にいつものような感じでダメが入るかもしれないぐらいだったが、これは凄いぴったりと感じた。面白かったのが、男気臭い役に真田広之が挑戦し、今までの男っぽいが綺麗な真田広之から、役柄が広がったおっさん臭い真田広之がうまく演じられていたこと。あと、一人一人褒めまくりの書き込みになるのですが、そのものになりきっていた岸辺一徳はいつもこのような立場の人物の役柄が多い。寺尾聡も苦悩する役にぴったり。安藤政信も本当にインパクトがあるよね。豊原功補もよかったよぉ~。工作員の役も中井貴一で引き締まったような感じで、寺尾との対が良かった。そんな中で勝地涼の活躍は素晴らしかった。技量の高い俳優さん達の中で、しっかり目立っていたよ。で、なぜか、制服好きで制服ばかり見ていたとはいえ、エンドロールに吉田栄作の名を見て、終わってから、友人Aに「どこにでてたのぉ」と聞くと、「出ていたことを分からない方がわからんわぁ」と言われてしまった。彼女の言う役の人は、知らない俳優さんだなぁと見ていたのだ。「吉田栄作の顔知らないんとちゃう。」とからかわれたが、もちろん知っている。豊原功補も谷原章介も分かっていたのに、なんで、ちょっと帽子を深く被りすぎ?私の目が変?吉田栄作の顔が変わった?

 で、俳優軍団は褒めてばかりなのだが、映画はいまいちだった。小説の大事にしたせいか、いらないシーンに時間をとっているような気がする。小説の中には、女性工作員の逸話がたくさんあるのか、思い出の写真や横浜スタジアム、如月とのキスシーンなのかはたまた空気を欲しがっただけなのか分からないシーン。確かに、ワンシーンのみで簡単に彼女の過去を想像することは可能だが、それよりも大切なことがあるだろう。映画は長くても3時間の制限があるから、何を主題に持ってくるかで評価は変わる。見終わった後に、私ならこう考えたとか、色々考えさせてくれてもいい主題を扱っているにもかかわらず、単なる娯楽映画に終わっている。折角、主人公の先任伍長が艦に戻ってあれほど活躍をするのに必要な理由付けを付けておきながら、対する宮津副館長の動議付けが弱いこと弱いこと。彼の思想が全然見えず、彼を慕った乗組員や、艦長に「若ければ宮津学校に入りたかったよ」言わしめた。カリスマ性すら感じられない。単なる考える人止まりで終わっている。勿体ない。折角、イノセントな主人公と「さすが日本人言われたように動く」とか言っちゃって、何を考えているか分からないようなヨンファの間で、ぼやけた状態になっている。彼がそれに向かった理由は徐々に分かるようになっているとしても、彼の思想がどのような人物であるのか、もっとはっきりして欲しかった。ただ単に、テロリストがイージス艦を占拠したって話ではないはず。要求も弱すぎて、ヨンファの目的よりも見えてこない。本当にそんな要求を望んでいるのかとさえ疑う。なんか、勿体ないので、もの申す。

 昔、友人のおかげでイージス艦に乗ったことがある。許可があれば着岸しているときに乗り込むことが出来るのだ。大分前の話だから絶対イージス艦かというと自信がないのだが、甲板にある主砲にぶら下がって写真を撮った記憶がある。で、近くで見た感想は、大きいなぁ凄いなぁと言う楯となってくれる艦の力強さにたくましさを感じた。しかし、映画を見ていると、今の防衛規定に則った話になっているはずだから、専守防衛の弱さを垣間見てしまった。いくら何でもそれは映画の世界でしょうとおののくぐらいの時間のかかりように、もう日本は滅んだと一緒だなぁと感じてしまった。マジ?マジ?マジ?と聞きたくなる。自分の国が侵略を行うことは絶対許せないが、このご時世で、防衛が出来ない国、このレベルではどうしようもないではないか。だれかにこれは映画の世界の中だけだよぉと言って欲しい。討論番組で、政治家が「あんなに金かけてるのに何も役に立ってへんで」と言っている通りではないか。
防衛庁のHPには、専守防衛とは、相手から武力攻撃を受けたときに初めて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢をいいます。という一文がありますが、”相手から武力攻撃を受けたとき”は決して、被害を被ってからではなく、こちらに敵意を向けられて、何らかの攻撃が始まった時点なんだから、それまでの零コンマ秒の間に対応出来るようなものと、それを察知出来るものと、攻撃されてからの対抗手段を映画の中の世界じゃないようにして貰いたい。戦争なんて嫌だけれど、なんか攻撃をしても何とも反撃が返ってこない国では、ますますバカな国扱いだよ。こんなこと私の生まれる前から論争になっていることで、こんなん書いても仕方ないけれど、思わず描いてしまうような映画の中の日本の防衛だった。敬称略

公式HP 

|

« ガンダム、大地に立つ! | Main | 素敵に昼ご飯4 »

「映画」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/43685/5458265

Listed below are links to weblogs that reference 亡国のイージス:

» 『亡国のイージス』 [京の昼寝〜♪]
人質は首都、東京。タイムリミットは10時間。 ■監督・脚本 阪本順治■脚本 長谷川康夫■原作 福井晴敏 「亡国のイージス」■キャスト 真田広之、中井貴一、佐藤浩市、寺尾 聰、勝地 涼、原田芳雄、岸部一徳、吉田栄作、谷原章介、安藤政信、チェ・ミンソ、原田美枝子 □オフィシャルHP  http://aegis.goo.ne.jp/ 原作が110万部を超えるベストセラーとなった福井晴敏氏の「亡国のイージス」。... [Read More]

Tracked on August 17, 2005 at 12:52 AM

» 亡国のイージス [プロパガンダとしても娯楽としても失敗し、それでも阪本順治は男を上げて・・・] [自主映画制作工房Stud!o Yunfat 映評のページ]
映画を見まくる生活を20年近く続けていると、「好きな監督」ができる一方で、「嫌いな監督」というものもできてしまう 批評家受けも、一般受けも良く、様々な映画賞を受賞し、ヒットも飛ばし、でも個人的に全然好きになれない監督。 そういう監督で反射的に思いつくのが4人、いや4組ほどおりまして ・コーエン兄弟(ただし「オー・ブラザー」は大好きだ) ・タランティーノ(ただし「フォー・ルームス」の第4話は好�... [Read More]

Tracked on August 30, 2005 at 11:36 AM

» 亡国のイージス 06年1本目 [猫姫じゃ]
亡国のイージス 本数リセット、06年1本目からいきます。 原作知らないし、コミック見たこと無いし、他の方のブログも読んでいません。でも、他の映画のコメントで、評価が低いんだなぁ、と思っていました。 もう、すごい引き込まれた。めちゃくちゃ緊迫感があって、見....... [Read More]

Tracked on January 14, 2006 at 01:35 AM

« ガンダム、大地に立つ! | Main | 素敵に昼ご飯4 »