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December 19, 2005

男たちの大和

元大和乗組員の著書「戦艦大和の最期」にある言葉
「進歩のない者は決して勝たない。負けて目覚めることが最上の道だ。日本は進歩ということを軽んじすぎた。私的な潔癖や徳義にこだわって、真の進歩を忘れていた。敗れて目覚める。それ以外に、どうして日本は救われるか。今、目覚めずしていつ救われるか。俺たちは、その先導になるのだ。日本の新生に先駆けて散る。まさに本望じゃないか。」

 なんでやねん。
 と言うのが、正直な感想。原作は2巻の小説。それをはしょって作っているから、戦後60年として描きたかったところだけを描いている。だから、戦争映画としては軽めに作っているし、一緒に見に行った友人Aものめり込めなかったと言っているのに、私は涙を流し続け、敗北が分かっており、援護もないところに向かう大和をなぜ向かわせたと嘆き悲しんだ。なんで、そんな無謀な計画を止めることが出来なかった。敗北が早ければ、広島や長崎がなかったかもしれない。7000名を乗せた船を死出に向かわせた日本軍の罪は重い。
 またもう一つ、不沈の艦船として作られた大和があのような砲撃では耐えられなかった。一隻で勝てるものではないが、多くの人間が死なずに出来る方法が無かったのか?
 主人公は、反町隆史と中村獅童。エリート士官でもなければ、花と散るような仕事も有名な言葉も残した人物を描いたわけではなく、若い人達を優しく見守るどこにでもいそうな軍人を描いていた。私は、上記のような言葉を語った有名な士官がおられたので、それを反町がすると思っていた。かっこいいよなぁ~なんて期待して。でも友人曰く「なんで炊事やっているの???」なのである。でも、それでも、反町はかっこいいんだ。夕日に向かっていくあの後ろ姿は素敵だった。中村の方もどんな役でもこんな人かもと思えるような演じ方をいつも見せてくれて、二人の何でもない兵士の姿が大和の姿を容易に感じ取ることが出来た。若い兵士はあんまりインパクトが無かった。語り部であるはずの少年兵が制服を着るとみんな同じに見えて、今の子って体型も顔も特徴無いんだなぁと思ってしまった。寺島しのぶがなんかね。私は女性の容姿とか人に言えた義理ではないのだけれど、大画面いっぱいではちょっとしんどいかなと思う。寺島ファンには酷いことを書いていると思うが、今まで見た彼女は別にそんなことを思ったことがなかったのに、今回は他の女優さんの方が良かったかなと思った。
 船首の方は実物大で作られただけあって、迫力があった。やはり、豊後水道のラストの辺は、上空から襲ってくる戦隊の群れや上空から見た大和の悲しい姿、爆発により人間の体がどうなっていくかがリアルで、どろどろではないけれど、戦争とはこんな事なのだと言うことが伝わってくる。悲惨な映像は他にスピルバーグとかで見せてもらっているから、大和の最期、乗組員の最期が丁寧に描いていて私的には良かった。60年前を知る人が少ない人達が知る映画では、これが今年の戦争映画作品の中で一番ましだったのではないだろうか。

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Comments

私も、"負けて目覚める云々"を、反町か獅童にしゃべってほしかったです。
・・・・・・・・まさか一茂にしゃべらせるとは・・・・

Posted by: しん | January 11, 2006 at 10:43 AM

★しんさま
 驚きでしたね。制作側の意図としてはあっていたのでしょうが、ちょっと残念でした。

Posted by: 海音 | January 11, 2006 at 08:16 PM

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