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February 22, 2006

ミュンヘン

 会社のUさんが、シュレッダーの紙を見て、「これは分かるよな。」と言ったので、
「そーいえば、先日見たミュンヘンで、つなげてばれていたっけ。」と言ったら、
「ミュンヘンどうだった?」と聞かれたので、
「私的には、面白かったけれど、IRA(Irish Republican Army、アイルランド共和国軍)とか、PLO(Palestine Liberation Organization、パレスチナ解放機構)が何かが分かっていたら面白いと思うよ。」と答えました。

 スピルバーグだからと言うことで、見に行く人が多い。しかし、彼はユダヤ問題を生やさしい視点で描いているわけではないので、何も知らずに見に行くと単なる人を殺していくことで、殺人者の人格が崩壊していく映画としてしかとらえられずに終わってしまう。残念ながら、今書いている私も、見終わったあと分からないことがいっぱいあったので、偉そうなことが言えないのである。
 今まで、彼が映画にした戦争物は分かりやすい時代背景があったのだが、戦後のパレスチナ問題は日本人には分かりづらい時代背景なのだ。ちょうど、ミュンヘンオリンピックの頃は、日本でもハイジャックや過激派がいた頃で、日本赤軍の前身はアラブ赤軍と言っていたぐらいだから、PLOに近い側で動いていた人達もいた。皮肉なことに、彼らの働きがその当時アラブの親日を増やしたために、オイルショックの時に敵国扱いを受けていなかった。
 しかし、この当時の歴史は複雑で、ミュンヘンオリンピックで選手が殺されていたなんて、この映画を知るまで知らないことだった。
 主人公は、モサドというイスラエルの諜報組織で働く人物。愛する妻は身重で、それなのに国を離れて、オリンピックで殺された選手達の仕返しのために、煽動すると見られる指導者達の暗殺を任されることになる。
 モサドがドイツの将校アイヒマンを捕獲するまでのドキュメンタリーを見たことがあるのだが、こんなのんびりしたことをやってられないので、即殺害と言うことになるぐらいその頃は荒れ果てていた時代なのだろう。
 変な話だが、イスラエルの敵は、PLOだけではなく、アラブ諸国だけでもない。他の組織なら、一対一で考えればいいのだろうが、ユダヤの定めという悲しい現実がある。
 なぜそのような事になるか、土地問題があるからだ。日本人以上に民族意識が強い人達が多いのだ。主人公とパレスチナ人の男性がお互いの立場を知らずに、「何もない大地に帰りたいか」と言う会話をしているが、祖国の大地を失ったものにとっては、大きな出来事になるだろう。帰られるはずもなかった民族がその地にいるのだから、問題は解決することがない。
 映画は、主人公の人格が変わっていく姿を映し出す。性行為と殺害シーンが交互に出てくるシーンはなんて凄い表現なんだろうと思った。殺す相手も殺す人達も普通の人達だった。スピルバーグは時代の間違いを問いただしている。

 ところで、上記の映画は、ミュンヘンではなく、ロード・オブ・ウォーでした。Uさんには早速訂正した次第です。

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