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June 07, 2006

嫌われ松子の一生

おかえり

 なんていい言葉だろう。

 一番胸の奥で誰もが求めている言葉じゃないだろうか。全く自分とは正反対で、前半は腹が立って仕方がなかった松子に今なら心底共感出来る。

 私は、CM制作をしていた監督にほれっぽい。この監督は、有名なSMAPをガッチャマンにしたCMを作った人だ。残念ながら、関西ではそのCMを見る事が出来なかった。しかし、見たことがない人間が知っているほど有名なCMを作っているのだ。
 前作「下妻物語」にははまった。始まった途端、主人公が車にぶつかり、終劇となるオープニングは最初から目を釘付けにした。2年前の私の映画ベストでも上位になっていたはず。しかし、あの作品のファン層は限られているようだ。先日の地上波放映でうちのおばばさまは開口一番「こんなつまらんもの、よーみるなぁ」と、去っていった。私は2度目なので前回の興奮ほど盛り上がることがなかったが、画面いっぱいに広がる楽しい世界に心は釘付けにさせられた。それもあって、今回は、何度も映画館で見る予告編だけで、松子の人生をどんなに待ちわびていたか・・・。また、「下妻物語」を超えて加速度級に迫ってくる映画の画面にどんなに虜にさせてもらったか・・。この映画も好き嫌いがはっきりする作品だろうけれど、松子の一生が思い立ったら突き進み、一人は寂しいと愛に走る姿に、憐れな可愛さを感じ、松子の一生を見ていく度に面白さが倍増する。
 確かに、人工的なものに紛らわされて、本来の松子の気持ちが奥深くないように感じたりするが、11月26日生まれの射手座の松子は、映像通りに読み取ってもいいのかもしれない。
 人間形成がどのようにされて、どうしても愛してもらいたい、こっちを振り向いてもらいたいと思い続けるようになったのかも、人生を見るだけでよーく理解出来る。こんなに人の人生は分かってしまうと、嫌われ者じゃない、友達にも恋人にもなれちゃう、愛おしいとも思えるものなのだ。
 本当に人の話を聞かなきゃなんない、人の人生を知らないとその人の言葉や行動を一元的にしか見て取れない。人生に関わるなら、もっと向き合わなきゃ。
 中谷美紀はもう拍手してスタンティングオベーションしたいぐらいによく頑張った。この映画のおかげで、変わったと言われているようだが、本当にそう思う。いい出会いをされてよかっただろうし、中谷美紀じゃなければこの良さも出せなかったのではないかと思う。彼女が踊り狂い画面の中いっぱいに、ごてごてした背景に負けないぐらいに、美しさを残したまま動いていたので、松子が余計に神にも見えたのだ。その他、繰り広げられる歌の数々と出演者達。前作に引き続いて、荒木良々や土屋アンナが出演、いい味を出している。主人公がトラウマになった悲しい父親の柄本明がよかった。あと、細々した使い方の片平なぎさも山田花子も面白かった。狂言回しの瑛太がちと薄かったけれど、これは仕方がないよな。

 やっぱり、この映画の根底にあるのは、幸せになりたい、それはそんなに好きじゃなくても誰かと一緒にいること、待っていてくれる人がいること。こんな寂しい世の中だから、結婚して子どもがいっぱい出来ても、最後には誰にも看取られずに一人で死んでいったりする時代だ。
 あえて、寂しいよぉと松子に語らせたのだろう。

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