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December 09, 2006

めぐみ -引き裂かれた家族の30年

慣れし故郷を放たれて 夢に楽土求めたり

 この流浪の民の一説は、日本から拉致された横田めぐみさんが捕らわれる前にコーラスに参加し独唱で歌った部分だ。なんと運命的にも感じる歌詞だろう。この歌は、聞いたことがなかったのだが、「ぼくの地球を守って」というマンガで主人公達の前世が宇宙で孤独に漂っているときに使われたフレーズもこの「夢に楽土を求めたり」である。なぜか、知ったときに、宇宙も北朝鮮も変わらない遠い世界の孤独を感じ、今まで味わったことがない拉致被害者のイメージが出来上がった。

 最近、三宮の辺りで武装した警察官をよく見ることがあり、タクシーの運転手さんに聞いても、「なんでしょね」と言われていたのですが、ある人に朝鮮総連の事務所があると教えられ、それ以後街宣車をよく見るようになり、なるほどと分かりました。彼らは拡声器で拉致被害者を忘れてはならないことを訴え、北朝鮮を非難してまわっています。
 映画の中で、小泉元首相は言います。「拉致被害者も取り戻さないと行けない、核開発も止めないと行けないし、ミサイルも止めないと行けない。みんな重要事項なんだ」と、横田めぐみさんのお父さんは、「アメリカだったら、一人のためでも国が動いてくれるのに」と言う。本当に、生まれた国を間違えたのか、致し方がないと諦める国民性だから、そのような判断が下されるようになるのか、拉致被害者やその家族ではないためにその答えも考えつかない。トップダウン方式で拉致被害者を幾人か奪還出来た過去は、今の阿部総理では夢の出来事のようになっていくだろうから、まるで振り出しに戻ったような気分になるのは否めない。

 この映画を見ると、なぜだか、「当たり前の映像」と思ってしまった。彼ら被害者家族の活動をTVで見るにつれ、自分の近くの世界から離れた、テレビの世界の話のように思うのだ。30年もかけて活動してきたことが、それをブラウン管から見る我々とは全く違う世界の30年間であり、何も分かってあげられず、今後も分からないだろうと、まだ延々と続くこのストーリーに何も感じないでいてしまう自分と向き合うことが不思議なことだった。なってみなければ分からない苦痛をあそこまで持っていくのは、家族や強力な頑張りしかなく、それがあそこまで出来ると言うことに家族の愛や力のすごさを感じてしまうのだが、それでも、自分の世界じゃないことを実感してしまう。
 人間はこんなものだろう。物事に共感はすれども、同じ気持ちになって立ち向かうことなどやはりあり得ないのだ。この家族があったればこそのここまでなのだ。家族の力がなければ、問題解決まで進まない。それもまた問題なのかもしれない。

公式HP

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タイトル:めぐみ -引き裂かれた家族の30年 原題:Abduction The Megumi Yokota Story 製作国:アメリカ ジャンル:ドキュメンタリー/2006年/90分(アメリカ版は85分) 映画館:シネ・リーブル神戸(102席) 鑑賞日時:2006年12月2日 (土),14:10〜 35人ぐらい 私の満足度:65%  オススメ度:60% 最初に、アメリカでこの映画がつくられると聞いたとき なんだか、やられたなあという気が�... [Read More]

Tracked on December 13, 2006 at 01:05 AM

» 映画「めぐみ-引き裂かれた家族の30年」 [茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~]
原題:Abduction:the Megumi yokota story 殆どすべて、新聞やテレビで知っていることなのに、なぜこんなにも泣かされてしまうのか・・殆ど過去の出来事の断片をつなぎ合わせただけの映画なのに・・ この事件は、失踪あるいは誘拐などの言葉では片付けられない・・それが北朝... [Read More]

Tracked on December 30, 2006 at 01:39 AM

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