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February 27, 2007

善き人のためのソナタ -ラスト、魂が泣いていました。

 第二次世界大戦中とは違うとしても、冷戦時の共産主義国家でどんなことが行われていたか、今のロシアが見せてくれるように、内部構造はがたがたになっている中で監視下で置くことが強制力となっていたのでしょう。この映画では、残酷な方法で自白に追い込まれるような箇所がない分、恐怖を観客に与えることがありませんでした。それほど、私が東ドイツのことを知らないのでしょう。
 国家保安省に勤めるヴィースラー大尉は、勤勉で党の方針を守る人物。その彼が、何も感じない心の端をじわじわと溶かしていったシーンである、この映画のために作られた善き人のためのソナタが流れる中、知らない内に溢れだした涙や、二人を感じ取るために部屋に入り込んだ姿を短い時間で映しだしているのがより効果的に、映画の中から私に入り出した。このカップルこそが善き存在であったために、大尉が守りたい気持ちが生まれてくる動機も感じ取りやすい。心中の変化をあまり描かずに、しかし彼の気持ちが分かる。
 ラストの報われる瞬間。自分の中にまっさらな大尉がそこにいた。そして、主人公の気持ちが流れ込んできたのだ。
 不思議だ。社会性のある内容で、憤りを感じる環境の話であるのに、全くそのことは感じず、彼の漠然とした心が入ってくるだけだったのだ。東ドイツでの監視体制は今でもトラウマに感じている人が多いだろうが、そのことに関しては何とも思いが行かなかった。

公式サイト
善き人のためのソナタ

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