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January 13, 2008

再会の街で - 期待しすぎていた・・・。

 出演はアダム・サンドラー、ホテル・ルワンダのドン・チードルが出演する。監督も会計士の役で出演している。
 ストーリーは、9.11の飛行機事故で家族を失った男性と、大学生時代に彼とルームメイトだった友人の出発の話である。家族を失った悲しみを持たなくても、アダム・サンドラー演じるチャーリーの気持ちに重なることが出来るだろう。彼は、最後に交わした言葉に支配され、思い出の詰まった家の中で、思い出さないように自分の人生をはぎ取っている。昔好きだったもの、今夢中になれるものだけで、何とか生きていこうとするのだが、9.11前を知るものは昔のように立ち直らせようと、彼に強要していく。
 オレのことはほっといてくれ、とでも言いたくなるように、彼の大きな悲しみを救う方法は、思い出させないことだけだったのか。悲しみに立ち向かおうとせず、思い出を共有しようとしない婿に対して、妻の両親が精神病院の措置を願うのだが、「娘さんが生きていたらどうするのか、よく考えてみて下さい。」と、裁判官は妻の両親を諭す。
 たくさんの悲しみを人は感じることが出来る。人が亡くなったり、ペットが無くなったり、街が無くなったり。それを思い起こさせる出来事や場所にやってきたら、思い出がよぎり、涙がこぼれてしまう。10代の半ばに父が亡くなった後、掃除する度に、寝ころんでテレビを見ている父にどいて貰って掃除していたのを思い出し涙が流れ、父が亡くなったときに母が東京へ遺体を迎えに行っている間、冷蔵庫にはよく冷えたスイカとメロンが私と一緒に父の帰りを待っていたので、スイカを見る度にあの日を思い出し、お通夜にはたくさんの親戚が集まっていて、また葬式までずっと精神性の喘息も出ていたので、父にあまり近づけずにいたから、その日から毎晩のように、父の遺体にすがりつきあの時に泣けなかった大声で泣く夢を見て、悲しくてつらくて毎日眠るのが怖かった。こんなにつらい思いをしながら、人の死を受け入れ、生きていかないといけないなんて、家族がすべていなくなったら、主人公のチャーリーのようになっても不思議じゃないと思う。家族は無条件に愛を注いで、また注いでくれる人達だ。どこかで生きていると分かっているだけでも、こんな悲しみを背負わなくてもいい。
 こんな気持ちをラストに主人公は言葉にするのだ。彼の心の内がはっきり分かる言葉。涙が止まらなかった。

 実はもっと深く描かれているものだと思っていたので、期待はずれではあった。しかし、人の悲しみを扱った表現は容易に重なることが出来、素晴らしい演出だったと思う。

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