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February 05, 2008

ラスト、コーション -男性の方が女性の本質を分かっているのではないか!?

 なぜか、演歌は女性の悲しみを男が作る。有名な監督ではなかったら、アン・リーという名前に、女性という印象を持ったであろう。しかし、「ブロークバック・マウンテン」で感じた監督の愛の表現を知ってしまったから、「なぜ、女性の奥底を男が作るのだ」となるのだ。
 前回の作品と違って今回は男女の恋愛と第二次世界大戦中の歴史が織りなしていく。主人公ワン・チアチーの本人の表現とスパイ活動しているときのマイ夫人の時との違い方があまりにリアルで、このような個々を描くやり方が落差があり過ぎて面白い。スパイとして体を投げ出した姿は、ワン・チアチーの奥底が出てくる。
 この作品は、アイリーン・チャンの短編小説を映画化。長年書き換えてきたとされるこの作品を原作に忠実に描いたという。監督のメッセージで、この作品を残酷な話と語っていたが、残酷な話とは全く受け取れなかった。

 ここからは、映画を観てからの方がいいかも・・・。

 この作品の中心にある主人公とトニー・レオン扮するイーとの愛情なのだが、スパイ活動をするマイ夫人に近づき、彼女の誠実な瞳を見たときに、「本当のことが語れる」と呟いた。それを彼女がどう受け取ったのか、それからの狂おしい熱情の世界で見せつけられたものは、確かに体だけで感じ取れる愛があるのだと、その深く描かれたシーンに自らの体験をも併せて、深く深く彼らの愛に到達していった。もう、幸せなエンディングが望めない二人なのだから、真実を知る彼女の愛情の瞳に重ね合わせ、涙が止まらなかった。
 あなたは、言いますか?言いませんか?深い愛を感じたときに本能の赴くままに放った一言。私も「逃げて」と言ったでしょう。ラストの彼女を思うトニー・レオンの姿に胸を打ちます。
 マイ夫人を演じたタン・ウェイがすっぴんの時も、お金持ちの奥方の時も美しい。中国の人は足の綺麗な人が多いのだけれど、彼女も足が綺麗だった。トニー・レオンはもう40代半ばになっておられたのですね。魅力的な所は全然変わらず、しかしいつもと違う役柄で、タン・ウェイが172cmの長身と言うこともあってか、かなり小柄の疲れたおじさんになっていた。ワン・リーホンは、昔の中国人だなぁと言う出で立ちで、一番この時代にマッチしていた。

 マイ夫人となる以上処女の訳にはいかないと経験者と取り組む所が女の私としては複雑に見た。今の世情は、性行為が行われても、心に痛みも伴わない人が多い。道徳教育が変わってきたせいとも、時代とも言えるのだが、その行為によって、子供が生まれるのだから、何か感じるものが必要じゃないかなと思ったりする。軽く行為に及んで、スポーツ感覚になる日も近いのだろうが、旧人類となりつつある私としては、それはそれで情緒が無くて寂しい話だと思う。
 下世話な発想で申し訳ないのですが気になったので書きますと、主人公達が行為を行っている最中、画面には何度も映しちゃいけないものがぼやけて出ていて、どう考えても本当に行為を行っていると思うのですが、こういった映画はそこまで俳優に要求されるのですか?ちょっと、びっくりしました。
 

ラスト、コ-ション 公式サイト

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第二次世界大戦中、日本に支配される上海。 日本と癒着し誰にも心を許さない上海の権力者イー(トニー・レオン)。 イー暗殺のため、マイ婦人として彼に偽りの姿で近づくウォン(タン・ウェイ)。 偽りと疑念の中、イーは暴力的なセック... [Read More]

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