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August 16, 2008

内的圧力と幸福の読み違い

先月、おばばさまと繁昌亭に行った帰りに、天神橋商店街でお昼をとり、ちょっとの時間商店街をうろうろした。あの辺りは、古書店が多いようで、古書の嫌いなおばばさまに我慢して貰って、古書店に足を踏み入れた。
 何せ古書店は面白い。友人Aが書店に入ったら、出てこないと言う程、書店好きなのであるが、古書店は店主の好みの本が並んでいるために、一種独特の世界を形成しているところがある。どこの街にでもある古書店ではあるが、世界でここしかない品揃えだったりする場合があるのかもしれない。
 まぁ、入ったところは万人向けに近い古書店だったので、比較的新書店に近く、おばばさまも店の入り口付近まではうろうろしていた。
 この店で久しぶりにコリン・ウィルソンの名を見る。正確には違うのだが、先月本箱を新たに買ったので、単行本サイズをまとめておくのに、コリン・ウィルソンの本達が移動したので、意識が残っていたのであろう。持っていない上下巻が揃っていて手に取った。
 コリン・ウィルソンはアウトサイダーという作品で名をあげた小説家であるが、犯罪心理学やオカルトに興味を持ち、特にシリアルキラーについて話を評論としてまとめた物が多い。中学生の時に興味を持った寺山から渋澤龍彦に移行してコリン・ウィルソンにたどり着いた。元々小学生の頃のなりたかった職業は精神医、詳しく書くと犯罪心理学の研究をする精神病理学者だったので、軟派な私の頭でも、一般的なコリン・ウィルソンは読んでいた。
 今年は、村上春樹年として、読まず嫌いだった彼の作品を発表年の順で読んでいくという目標を掲げて、2冊目読んでいるときに怒濤の引越が始まって、2冊目の行方は・・・。って状態で、会長達とご飯を食べに行く機会があった時に、会長の母校の先輩村上春樹を褒めておられたので、今年は村上春樹年にしてます。なんて、ちゃんかり言ったのに、今はプレジゼントやブルータスを読みあさり、20世紀少年を大人買いして読み切り、とうとうコリン・ウィルソンの2冊を読み始めてしまった。早く読んでしまわないと、村上春樹にたどり着くまでに、プレジゼントやブルータスの読んでいない特集が貯まってきているし、それ以外に買った本達がもうどこに入っているか分からない状態だし、会社からこのお盆休みに読もうと仕事の関係の本を持って帰ってきているし、あーあって状態でコリン・ウィルソンを読んでいます。

 まぁ前置きはいつものように長々と。
 先日、道を教えてレイプされたという事件が新聞に載っていた。そのことを隣のTYさんに話をした。昔、家の近くの古本屋さんで同じ年ぐらいの若い男性に道を聞かれた。口頭で説明しても近くなのに分からないと言うので、帰りの方向だからと、そのマンションへ連れていった。エントランス内部でその名前がないから、上まで一緒に付いてきてくれないかとしきりにエレベータに乗せようとするので、丁重にお断りして急いで帰った。それから1年ぐらい経って、三宮の本屋の内部で、道を尋ねる声が有り振り向くと、その男性が立っていた。私は無言で恐怖に駆られその場所から立ち去った。彼がレイプ犯か本当に道を尋ねただけなのかは知らないが、私でもこんな出来事があるのだから、どんな女性にも魔の手が忍び込む機会が多いだろう。TYさんは、私がエレベータに乗ったら最後、その階で待ちかまえている男が二人居て、両手両足と口を掴まれてと、仕事中に語り出すから恐ろしくなった。TYさんはもっと性的に淡泊な男性だと思っていたのだが、私と二人になると喜んで普通の話を性的な話に持っていくので、そう言う話はつきあった人としかしないのでいいですと、断り続けているのだが、この話にも派生して、レイプされやすい女が居ることは確かだと話を広げだした。
 ちょうど読んでいるコリン・ウィルソンの章が「犠牲者」。殺人を呼び込む犠牲者体質があることから話が始まり、犯罪心理学者の中では、そのような体質があると言うことは認められいるとのことだった。例には大統領就任中に暗殺されたリンカーンやケネディの共通性や、連続殺人者が殺害者の写真を撮っているのだが、その中でも犠牲者になる人と、犠牲者になったとしても彼女たちとは一線を置いている女性達との写真が異なることを述べている。コリン・ウィルソンの解釈は、

 哀れな人間は「内側の圧力」が低い。幸が多い人間はそれが高い。内部圧力が低いと事故が起きやすい。フラットのタイヤがパンクしやすいのと同じだ。

としている。この文で思い出したのは、中学校の時の友人YSとの会話だ。彼女は在日で、在日だからと言って虐める対象にするような人種がいる街ではなかったが、女性であるために、男性からの対象として違っていたかもしれない。成人してからストレスを感じていたことを語ったことがある。それ以外に彼女を襲った悲劇の方が大きかったので、私には分からなかったのかもしれないけれど、母子の二人暮らしだったのに、中学生の時に彼女の母は彼女を置いて愛人宅に住むようになり、奇妙な正妻との三角関係の中、その家の跡取り息子を生んだ。このような状態だったので、一人住まいの彼女はリストカットを常とすることになり、泣きじゃくる彼女に私は、
 きっと、こんなにつらいことを経験していたら、ほんの少しの幸せでも幸せと感じるから、普通の幸せを手に入れたら、普通の人よりもたくさんの幸福感を得られるからと説き伏せていた。
 私は高校に行き、友人YSは専門学校へ。10代で結婚妊娠、しかし、高校生の私が彼女の話を聞くと、夫が愛人を作ってという10代のまだ若い年代では辛すぎる相談で、電話がないので久しぶりに電話をしたときには、新しい女との生活を始めていて、その女が電話口に出てきた。彼女の連絡先が掴めずに、彼女の母親の再婚した名字から割り出し探し出して、友人YSの行方を聞き、会いに出かけると、10代なのに身をやつして水商売に入り込み、薬も手を出し、子供は夫に取られた状態で辛い思いをしているこんな不幸な状態を見せたくないという姿だった。
 その頃の私は、その学校では成績がよかったために、クラス委員とかしたり、風紀の先生が全校生で風紀検査するときに彼女は大丈夫問題ないからと、殆ど検査されなかったぐらいの普通にまじめな高校生をやっていたのであまりにも彼女とのギャップで、彼女を慰める役割になれないと身をひいた。別に水商売とか裏の世界になったから彼女から手を引いたのではない。その頃には薬を売っていて鑑別所に行った友人もいたので、そんなことは気にならない。それともう一つ気になったのは、上記の私が小さな幸福でも大きくなると慰めた言葉がどんなに悪かったかと言うことだった。
 小さな幸せしか知らないものは、本当の普通の幸せを知らないんだと思う。簡単に幸せの仮面を被った不幸に進んでしまう。彼女の夫は仮面を被った不幸の使者だったのに、それを認知できる能力が欠けていたのだ。
 10代の頃、自分の考えが変わったことを知った。幸福な奴は一生幸福で、私や彼女のようなあまり幸せな家庭生活をおくってこなかった人間には幸せな生活は訪れないかもしれないと。
 コリン・ウィルソンは中年に入ってこのような例に内部圧力と認識したようだが、不幸な子供達は内部圧力の訓練と幸福の読み違いを学ばないまま社会に掘り出されることを10代で知るのではないかと思う。

 話を戻して、犠牲者になりやすい人達の話だが、昔イタリアに卒業旅行に行った6人組が一人を除いて5人がひとりの男にレイプされたという事件があった。別に5人の子達が犠牲者体質とは思わないが、ひとりの子はその時に普通に状況判断が出来たのではないかと思った。昔、高校卒業旅行で友人達と原宿に行ったときに、優待券が付いているお得な券が3千円だと若いにーちゃんが売り込んできた。集団心理だったのだろう、私がここでしか使えないよと言っているのに、私以外が3千円を払った。案の定どこにも使えるところが無く終わった。変な例かもしれないけれど、卒業旅行で世間を知らないガキが知らないところに行って誘惑に負ける。一人だと危険だと認知できる能力が出てきたかもしれないのに、集団であったために何も考えずに進んでしまう。これも、犠牲者という名称はおかしいのだが、犯罪を呼び寄せるものじゃないかと考える。残念ながら、集団でいても、めっちゃ盛り上がっている中心にいても、おまえさめてるよなぁとAB型男性に言われるタイプなので、集団心理に参加できなかった。その心理を語る上で自分が被害者でなければ分からない感情である。

 隣のTYさんが派生させた話の一つに、男性はレイプすることに熱くなると語った。そう言ったビデオが多いので自分が加害者になり征服するという本能が埋め込まれているとは思う。それと相対して、被害者になったら結婚したとしてもそれを思いだしてPTSDになると被害者の立場も語っていたので、悪いことだという認識を持っていると納めていたが、レイプの内容を語るときに、顔に頭の中身がよく出ているTYさんだけに鬼気迫る眼と喜びを表すような口元で男性がレイプがどんなに好きかを語った。
 彼じゃなくても、性的興奮を感じたらこんな風に語るのだろうが、どうしてここまで遺伝子の中身が違うのだろうかと考える。ただ染色体の違いだけで、成長したら脳も体もここまでここまで変わってしまうのだ。
 女性の死刑囚は少ない。戦闘的ではないし、人を殺すことまでは思い至らないし、衝動的にもなかなか殺せない。和歌山カレー事件でも本当に無差別に彼女が殺したのか真偽はまだ揺れている。
 世に攻撃性がなければ進化も成長も無かったというなら、人間はどれほどの幸せを犠牲にしてきたのだろうと感じてしまった。

 あっ、TYさんは変態ではないし、世の男性がすべて加害者とは思っていませんよ。ははは

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