« 今は寂しい | Main | チェ 28歳の革命 »

January 24, 2009

永遠のこどもたち

 めちゃ怖い映画なのだが、評判も良かったし、パンス・ラビリンスの監督の作品というのがあって、友人Aをつれて観に行ってきた。
 一番褒めるのは、配給会社の邦題担当者さま。うまいやんこの題名!2009年度邦題大賞のノミネート作品です。
 パンスラビリンスを見ている人は覚悟していると思うのだけれど、この監督は子供の残酷性や人間の恐ろしさを余すところ無く描ききる。この先はネタばれにあるので観に行かれる方はここでおさらば。

 舞台設定も恐怖を抱かせるもので、最後の大感動をもたらす複線としては、どうしてこんなに恐怖を抱かせる必要がある。この映画は母子の愛情の深さを描く主題で作られたわけではない。恐怖から感動に変わる時の心の痛みを与えるためだけに作られた考え尽くされた映画なのだ。怖い映画を観た時にいつも書いているのだが、主人公はバカだったり、怖いもの知らずだったりする。この映画の母親も自分の息子を見つけるために、どんどん霊の世界まで入っていく。これは、以前友人Sに見せて貰った心霊研究をしているアメリカの財団のビデオを思いだした。亡くなった娘に会うために夫妻はここにすがり、何度目かの接触で入り口にたどり着いた話を講演していた。私はそんな不思議世界よりも、自分が子供を持たないから、子供にそこまで会いたいという気持ちが掴めずにいた。同じ肉親でも親や兄弟まではそこまで思わないだろう。心血を注いだ子供だから出来るストーリーなのだ。しかし、それはあくまでこの映画のために使われたモチーフとして受け取る。映画というのものは感動を与えたらいいものだけではないのだ。断念だが、人間の感情を揺さぶることで映画の能力が問われることもあるのだ。感動と言うよりも考え尽くされた世界に驚かかれる。
 この映画で主人公が息子を捜し出す度にたくさんのヒントが出てきて、彼女と共に導かれる。複線が繋がる時彼女と共に答えを見つけるような仕組みで進んでいくのだが、それはあまりにも切ないおとぎ話。希望が叶えられたとしても、主人公が望んだことがかなったとしても、観るものには悲しみが押し寄せる。出ていくはずの夫もその入り口を見つけたラストはこれで良かったような印象を与えたが。
 濃密に張り巡らされた複線のひもを解く鍵を色んな所に潜ませているのだが、映画の時間におさめないといけない為に盛り込んだ鍵だけを指し示すから、怖く無くて他を見ていたら容易に答えにたどり着いて面白い作品に成り得なかっただろう。階段下の物置が開いて何気なく重たいものを入れた行為だけで奥に何かあるというのを察してしまう。友人Aは凄いと言ってたが、これは他の人も察していたのではないか?それじゃなければ、2時間ドラマを30分で犯人と犯行理由が予測出来た能力はまだ衰えていないか(笑)しかし、怖さで、その先を放置していたので、映画作りは大したものだ。この監督に騙されっぱなしである。

今年観た映画の今のところの順位
1.ラースと、その彼女
2.青い鳥
3.永遠のこどもたち

|

« 今は寂しい | Main | チェ 28歳の革命 »

「映画」カテゴリの記事

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/43685/43835542

Listed below are links to weblogs that reference 永遠のこどもたち:

» 映画「永遠のこどもたち」 [茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~]
原題:EI Orfanato ウノ、ドス、トレス、チョコラーテ・イングレス、いわゆる日本のだるまさんがころんだと同じで、鬼ごっこ遊び~障害を持つ子供に対するイジメと母親の愛~ とあるスペインの海辺に建つ古い孤児院、仲良くだるまさんがころんだ遊びする子供... [Read More]

Tracked on January 28, 2009 at 12:23 AM

« 今は寂しい | Main | チェ 28歳の革命 »