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March 20, 2010

ハートロッカー

 この映画のこと書くのは非常に難しい。なぜなら、あまりにも知識がなく、あまりにも情報が少ないからだ。だから、勝手に思いついたことを書くとたくさんの間違っている抗議がくるような気がするのだが、とりあえず私の言葉で語ろう。
 ハートロッカーというのは、棺桶のことらしい。爆弾処理班が一番棺桶に足を突っ込んでいる。主人公は、映画のセリフ通り「何も考えていない」から、その時その時の感情で爆弾処理に動き出す。班長であるのにマネジメントが出来ない人物であるが、彼のむちゃぶりを勇気ある行動として知らない人達はとらえる。観ている観客でも奮い起こされるような彼の勇者ぶりを見せつけられるのだ。
 この映画は、彼のむちゃぶりを描く映画だが、アメリカがイラクでやってきたことを知らせる映画でもある。本当に、恐ろしい話だ。
 でも、このような描き方は大きな偏見をもたらすような気がする。自国が関係していたことすら覚えていない国民が情報がないのにこんな映画を観てしまったら、まるでアメリカがイラクをテロから鎮圧するためにいっているのに、住民達がテロを養護していたり、イラク国民すべてがテロリストのように見えていないか?
 今は、減っているようだが、毎月120人のアメリカ兵がこのような映画の内容で死んでいた時期があった。それに巻き込まれたりしたイラクの人達は10万人を超えていると言われる。なんで、こんな不幸の連鎖が続いているのか?アメリカが枯渇する石油の利権とイスラエル問題でイスラム圏の力を落としていくのが狙いだと言われているが、もっと多くのことが内在しているだろう。よーするに、イラク国民からは来ては欲しくなかった人達なのだ。民主化を目指すためにここまでの大きな犠牲が必要だったのかと、今じゃなくて、イラク戦争始まる前から誰もが思っていたことなのだから、テロがアメリカや駐留軍を狙うのだ。また、国民は情報や知識に乏しく、自分たちの姿を分かっていない。戦争後日本が行ったときに、日本がきたから高層ビルが建ち、企業が工場を興し、生活が豊かになるという大きな期待を描かれていたために、やっていることとのギャップで感謝をあまりされない悲しいものであった。アメリカのことも日本に対する勘違いも、独裁政権が管理しやすいように、情報や知識を断っていて、多くの誤解生まれてきた結果でもあるのだ。
 この映画の主人公がやっていることは、イラク国民には歓迎されず、人間爆弾を一人助けたとしても、「あなたたちがここにいるから」という風に感謝の気持ちよりも非難が出るだろう。
 テロリズムが正義になることはないが、多くの要因を知らずに観てしまうと、悲しい観客で終わってしまうなぁと感じたので、今の状態はどうなのかと検索したが、日本では情報があまりない。政権がアメリカに後押しされている所がとるようなので、まだまだイラクの苦難の日々が続くだろう。
 女性監督が作ったとは思えない男臭い映画。映像もドキュメンタリータッチで描かれているので、イラクの姿が見えたような気がした。この作品がアカデミーで名を連ねると、何となく誤解を生むのではと言う違和感を持つ。本当に素晴らしい映画ではあった。でも、思いは複雑だ。

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