« なんか、コミュ面白くない | Main | 倫敦から来た男 »

May 19, 2010

月に囚われた男

 3年間も孤独な仕事をするといったあらすじは、私にとって魅力的には感じられず、ラストに主人公の永遠の孤独を予定されているのかもと思うと、観た方がいいと思う映画であっても足が遠のいていた。
 しかし、思った心配はすぐに解消された。ずっと、忍び寄る孤独の陰を感じ、主人公以上に怯えていたのだが、全くそんな方向には行かなかった。

 ここから、映画を観に行くつもりの人はネタバレになりますので。

 あと、2週間で地球に帰ることが出来ると、帰還の日を待ちわびていた主人公に、なんでそんなに感情移入してしまうのか、主人公の視線から離れて、これは映画だこれはフィクッションだと冒頭頭で唱えていた。
 映像で観るだけのものなのに、孤独とはこんなに辛いことなのだと考える。話を理解し、受け答えしてくれて、自分のことを考えてくれているロボットがいても満たされるわけでもなく、遠い地球からのビデオレターで少し満たされる。そんな中に自分がというか、同じ人間が突然世界に現れる。自分だったとしても、人間としてのやりとりを観て、不思議にも孤独から解放されていく自分を認識した。人間の孤独とは、不思議な感情なのだ。兎に角、一人じゃなければいいんだってことなのだ。
 ストーリーは、思った以上に軽い展開で、基地の真実を暴いていき、置かれた立場を全く疑わずに何代にも渡って、ただ仕事をこなしていたというのも、面白い発想だった。どうして、家族がいて自分の幼い子供がいる記憶を永遠と繰り返すのか、それを選んだストーリー展開も面白かった。画面に広がる月の映像の割に、未来設定がまるで古臭く感じるのも、相手してくれるロボットがスマイルで感情を表しているところも、とてもカワイイ。
 監督はこの可愛さを持って、孤独な主人公に孤独からの脱出も与えてあげたのだ。

|

« なんか、コミュ面白くない | Main | 倫敦から来た男 »

「映画」カテゴリの記事

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/43685/48401063

Listed below are links to weblogs that reference 月に囚われた男:

« なんか、コミュ面白くない | Main | 倫敦から来た男 »