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February 10, 2011

冷たい熱帯魚

 愛のむきだし以来の園子温監督のファンである。予告編には「愛のむき出し」を超えたと出ていて、どんな作品か楽しみに観に行ってきた。かなり話題になっているようで、観客は多かった。
 なぜか、彼の作品を見ていたら、映画の内容は全然違うのに、私の好きなキム・ギドク監督を思い出すので、気になって検索したら、この方も射手座の男だった。

 この映画は、1990年代にあった埼玉愛犬家連続殺人事件をモチーフに据えているようだ。透明にすることやペットショップを熱帯魚店に替えているところも、主犯格が50代の男性で妻も同じように殺害に荷担していることも同じだ。

 この映画の中で主人公は、妻と娘の間に入って、悪い奴の言うとおり、相手の言動に任せた。これは、主人公は私たち側で、まるで主人公と一緒になって、悪い奴に怒られている。悪い奴の生き方がまとものように見えてくる。すごくメッセージ性が高く、私がアイダホバーガーを食べながら、映画が見られるほど、気持ち悪さに勝っていた。なんで、あんなに殺害しているシーンがいっぱいのエログロ映画なのに、気持ち悪くないのだろう。と思っていたら、映画の中身が面白すぎるから、若しくは私がグロイ映画に耐性が出来たかだ。後者はまだ無理、気持ち悪いのは怖いし、嫌だ。主人公の開き直って怖がってみせる事なんて、私には到底出来ないことだろう。
 愛のむきだしの如く、観客は園子温ワールドに連れて行かれて、一気にその現場に立たされるのだ。
 生憎私が入り込むことが出来る人がいなかったので、蚊帳の外で観ていたのだが、どっちかというと悪い奴側にいるのではないかと、錯覚してしまう。
 この映画を観ていたら、犯罪者の方がまっとうに生きている。自分を忘れた人たちに問う映画だったのだろう。

 今の時代の人たちは本当に今を生きていないと思う。まるで、流されているのが楽だと言わんばかりに覇気がない。役割を与えてもらったり、誰かがやってくれたり我慢してくれたりの時間薬を鯨飲していちゃだめだよと、この映画でいっぱい言われていますね。

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