« 風 | Main | 今日はしんどい »

May 21, 2012

少年H映画化

神戸市長田区出身の舞台美術家妹尾河童さんの小説の映画化。
阪神大震災後焼失した街を見て、小説を書くことになったという。

長田区は、神戸市の西よりにあります。
昔は長田区の隣の須磨から西に行くには山があり、神戸は通路を遮断し易い、敵が攻めにくい場所でした。摂津の西の果てが須磨になります。京都から神戸にいくのに、有馬街道を南にさがると、兵庫区のあたりにおりてくるので、兵庫が中心に福原京が計画され、鷹取の辺りまで福原京がありました。その間にある長田は漁村として栄え、600年頃の地図にも載っている古い街です。
近代化に伴い中心の兵庫区に商業と重工業が集まり、その重工業を支える中小企業や、働く人の住まいとして、長田区は発展してきました。
よく横溝作品に出てくる神戸は神戸駅当たり、横溝正史の住んでいたところも川崎重工業と三菱重工業の辺りの間にあります。
兵庫区に県庁所在地が出来、新開地が商業の中心となり、東に花隈、西に新長田が発展し、副都心として、賑わいがありました。

これはその頃に子供時代をむかえ、太平洋戦争を体験した少年の家族や友達や街の思い出を綴った作品で、主人公が遊んでいた街の記憶は、震災までの街並みに息づいていました。
私の育った町が、この少年Hの街の未来です。巻末に地図があり、その中に家の位置が書き込める同じ故郷。出てくる店の名や学校など、文章を読みながら、実際思い浮かべる事が出来ました。

また、妹尾さんが小説を通じて言いたかった、街は再生出来る大戦で焼き払われた街も、再生出来たんだからという言葉を同じ街に生まれた者だから受け取れました。

私は中学の頃、旅行した先の建物を詳細に書き込んだ妹尾さんのエッセイを図書室で借りて読んでいたので、知っていたのですが、神戸出身の方とは知りませんでした。
少年Hが話題になった頃、講演会があり、その後のサイン会で握手を求めたら、ほっぺたにキスされました。かなり、お茶目な方だったと思います。

震災から、17年以上経っていますが、昨年の震災の人たちに、どんなことがあっても、再生出来るということを少年Hやこの新長田で感じてもらえたら、今この作品が映画化される意味があるだろうと思います。
街が無くなるということは、無くした人しか分からないと思います。新長田は多くを焼失、西日本最大のプロジェクトという名をいつも冠していました。
大きな震災があったこんな時は少しはお役にたてるのではないかなと思っています。

|

« 風 | Main | 今日はしんどい »

「映画」カテゴリの記事

「書籍」カテゴリの記事

「神戸」カテゴリの記事

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/43685/54760163

Listed below are links to weblogs that reference 少年H映画化:

« 風 | Main | 今日はしんどい »